世界を掴み、ディズニーも認めたカズ・オオモリの才能と信用に迫る—夢を諦めずこうなりたいと思い続け腐らずにやり続ける

編集部
2017.04.13

これは何でも良いんです。「点」の場合は、針でプチプチプチと穴を開けても「点」ですし、鉛筆の先端をトントントンと置くのも「点」ですし・・・でも、「君にしか発見できない「点」」や「君にしか表現できない「点」」を5つ、A4の用紙の中に集めてきてくださいと伝えると、例えば、よくあるのはパンチングで穴を開ける学生もいますし、面白い学生は用紙に漢字で「点」と書いてくる学生もいます。そっち！？とも思いますけど、発想や捉え方なので“あり”なんですよ。今度は、音楽を聴いてもらい、発見シリーズの表現方法を上手く使って、音楽を表現するというような授業もしています。イラストレーションの授業では、“フィギュアのドローイング”という言い方をしていますが、時と場合によりますがコスプレをしてポーズをとってもらって、それをチームでデッサンするという授業もしています。デジタルワークでは、AdobeのIllustratorやPhotoshopのビギナー編から応用編というのもあります。メディアクラスでは、作画演習、いわゆるアニメーションの授業もしています。

——学生時代に学んだことも生かして、学生さんに教え、伝えているんですね

僕が奈良芸術短期大学のOBということもあって、学生時代に先生との距離感の近さやわからないことはすぐに教えてくれることなども含めて、今度はそれを僕が実践するようにしていますし、ミネアポリス・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインで学んだことや現場で必要だと思ったことも含めて、教えています。

——いま手掛けている、或いは、今後発表する作品などがあれば、教えられる範囲で教えてください

それが、まだ言えないんですよ・・・皆さんに楽しんでもらえるアートワークや作品を制作中ですので、楽しみにしていてください！

——夢や目標を教えてください

ずっと描き続けたいです。後は、自分のプロダクトを作りたいと思っています。スニーカーにグラフィックアート的なものを描いたり、文具のパッケージングを手掛けたり、アパレルやスニーカー、時計などとのコラボレーションも・・・色々やっていきたいですね！

——日本国の若者たちにメッセージをお願いします

日本は日本で良いところがたくさんありますが、是非、海外に出て行っていただいて、世界に発信できるような人財になっていただきたいです。僕もこうなりたいな、やり続けたいなと思い続けて、ここまで来ました。自分が何か得意なものでも良いので、やり続けて、こうなりたいなと思い続けたら、実際にできる。これは僕が実践してきたことでもありますし、これからも実践して魅せていくことができると思います。ベタですが、夢を諦めないで、腐らずにやり続けてください。

——最後に、Kazさんにとってアートとは何でしょうか

光と影ですかね。アートというのは、作者の人生観や背景も反映されると思います。光っている部分もあれば、その裏には深い影もあって、そこには苦労もあるでしょうし、耐えることもあるでしょうし・・・光と影が共存していると思います。この絵は素敵だなと思っても、この裏側や向こう側には何かメッセージ性があるのかなとか、そういうところも見れると思いますし、そういうところまで見てほしいと思います。

——素敵なお話と貴重な資料をありがとうございました！

こちらこそありがとうございました！

インタビューを終えて

昨年、ディズニーやピクサー、マーベル、ルーカスフィルムのアートワークを手掛けている日本人アーティストの存在を知った。その日本人アーティストが、カズ・オオモリさんである。すぐにカズ・オオモリさんにコンタクトを取り、いつかご挨拶させていただきたいとお伝えした。2017年3月某日にカズ・オオモリさんから「近いうちに東京に行くので一度お会いしませんか？」とご連絡をいただくのだが、その数日前、アメリカ合衆国で2人の日本人アーティストが描いた映画『Kong: Skull Island』（邦題『キングコング：髑髏島の巨神』）のポスターアートが話題になっているという情報が飛び込んできた。調べてみると、1人は既に『SOUL SAPIENS with Ryohei Ebuchi | ソウルサピエンス』（現・『SAPIENS TODAY｜サピエンストゥデイ』）でご紹介させていただいた怪獣絵師としても知られるイラストレーターの開田裕治さんのポスターアート。そして、もう1人が、カズ・オオモリさんのポスターアートだった。すぐにカズ・オオモリさんにご連絡をし、ポスターアートを『SOUL SAPIENS with Ryohei Ebuchi | ソウルサピエンス』（現・『SAPIENS TODAY｜サピエンストゥデイ』）でご紹介させていただきたい旨をご相談させていただくと、すぐにポスターポッセに許諾を取っていただき、独占取材が実現。その流れで、ディズニー映画『Moana』（邦題『モアナと伝説の海』）アメリカ合衆国限定コレクティブル・チケットのアートワークについても独占取材が実現し、映画の日本国公開初日に合わせてご紹介することができた。いま思えば、必然的な良い流れだったように思う。カズ・オオモリさんが、仕事で東京に来られるとのことだったので、インタビューを申し込むと、快く引き受けてくださった。