ピクサー:グラント・アレクサンダーのアニメーション・映画制作への情熱に迫る―独占インタビュー#2

©2016 Ryota Isomura ©Disney/Pixar

アメリカ合衆国からPixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)のスケッチアーティスト/キャラクターデザイナー:Grant Alexander(グラント・アレクサンダー)氏が来日したため、独占ロングインタビュー取材を行った。(続き)

 

Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)が誇るアーティストの一人、Grant Alexander(グラント・アレクサンダー)氏のアートやアニメーション・映画制作への情熱に迫った。Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)とGrant Alexander(グラント・アレクサンダー)氏のご協力のもと、未発表の貴重な資料を交えてお送りする。

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江渕良平: 先ほどのお話しで、監督や制作チームのスタッフが途中で変わったということでしたが、そういうことはよくあることですか。

Grant Alexander: 遡るとWalt Disney(ウォルト・ディズニー)の時代からよくあることです。一番最初に就任したディレクター(監督)が途中で変わり、そのディレクター(監督)の直属の部下にあたるスタッフが監督になって作品を完成させますが、その監督が次に作る作品で、また同じことが起こるということもあります。とても奇妙ですね(笑)これだけのスケールとレベルのプロダクションになると、色んなコストやリスクがどんどん大きくなり、監督と制作チームのスタッフの人間関係を強く結束する必要があるので、とても残念なことになったりします。また、決断をする人たちにとってもつらい決断ではあるんですけど、最終的には、スタジオ全体の利益、最高に良い作品づくりと観客を最優先に思った決断を迫られると思います。

江渕良平: いままで苦労したことや努力してきたこと、いまも努力し続けていることはありますか。

Grant Alexander: たくさんあります。いまでも。人生丸ごとですね。(笑)私は、家族を持っている身なので、家庭と自分の仕事、キャリアのバランスを保つことについてよく色々と考えています。私がどうしても叶えたいキャリアの夢や目標もありますが、最終的には何が本当に大切なのかを見極めないといけないなと思っています。どうしても大好きな仕事でも、仕事は仕事なので、本当にそれが一番大事なのかよく考えています。アーティストとして言えることは、常に人の判断と評価に晒されているので、アーティストは不安定な気持ちを抱えている人も多いかもしれません。自分に自信があるかどうかも含めて。それもアーティストとして働くプロセスの一部なので、監督やプロデューサー、誰か偉い人に自分のデザインを見てもらって、それを却下されても、次の週、また新しいデザインを持って行くくらい、面の皮を厚くして(日本語では、図太い精神になって)めげずに、切り替え、チャレンジを続けることが大切です。後、自分が一生懸命にがむしゃらになって関わってきたプロジェクトや作品が、最終的に使われなくなってしまうこともつらいことですよね。

 
江渕良平: Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)が、たくさんの大ヒット作品を生み続ける秘訣・秘策は何ですか。

©2016 Ryota Isomura ©Disney/Pixar

Grant Alexander: ひと言で言えば、やはり”Commitment to Excellent”です。最高のものを作るために専念する。何事も、何物も妥協しない、最高のものを作るという精神だと思います。業界全体を見渡すと、作品の質がそこまで良いものではなくてもヒットする作品はありますが、作品を監督、或いは、プロデュースしている人物が多くの利益を生み出したいから質などを妥協することもあるかもしれませんが、Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)では、そういうことはやっていません。例えば、Disney・Pixar映画『The Good Dinosaur』(邦題:アーロと少年)に関してですが、The Walt Disney Company(ウォルト・ディズニー・カンパニー)とPixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)が本来の公開予定日を1年間遅らせる許可を出してくれたんです。何故かというと、制作チームがどうしても納得がいかないと感じたために、やり直しを申請しました。The Walt Disney Campany(ウォルト・ディズニー・カンパニー)とPixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)にとってもかなりの多額のコストが掛かる決断でしたが、やはり妥協できない、納得がいかないということで公開予定日を延期しました。

江渕良平: Disney・Pixar映画『The Good Dinosaur』(邦題:アーロと少年)も観ましたし、その前にPixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)の撮影監督/ライティング・スーパーバイザーのSharon Calahan(シャロン・キャラハン)ともお会いしてお話しましたが、映像も綺麗で、草原の葉っぱ一枚いちまいにしてもリアルで、いままでにない素晴らしい作品だと思いました。先ほどのお話を遡ると、Grant(グラント)さんはアートとサイエンスの専門の高校に通っていたということでしたが、Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)は、アート(芸術)とサイエンス(科学)、そして、テクノロジー(科学技術)の融合、集合体と言っても良いと思いますし、素晴らしいアーティストがたくさんいますが、それについてはどうですか。

 

©Disney/Pixar ©Grant Alexander

 

   
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