ジェーン・グドール博士が約2年ぶりに来日—“若者たちに良い選択をしていただき、人や動物、環境に良い影響を与えてほしい”
世界平和のアイコンの1人 ジェーン・グドール博士が約2年ぶりに来日し、来日記念イベントに登壇した!どのようなイベントになったの!?記事を読み進めよう!


オープニングで挨拶をする国連広報センター所長の根本かおるさん ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi
世界平和のアイコンの1人で、国連平和大使、野生のチンパンジー研究の第一人者として知られる動物行動学者/環境保護活動家のDr. Jane Goodall(ジェーン・グドール博士)が約2年ぶりに来日し、昨日2025年6月12日(木曜日)にブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ昭和にて開催された来日記念イベント「Inspiring Hope Through Action──希望は、行動の中に。ジェーンから受け継いで ユースたちの希望の種まき」に登壇した。
ジェーン・グドール博士は、2023年7月の来日以来約2年ぶりに、日本国の人々に“希望”を届けるという使命を胸に来日。6月12日(木曜日)より3日間に渡って開催されるジェーン・グドール博士の来日記念イベント初日となった「Inspiring Hope Through Action──希望は、行動の中に。ジェーンから受け継いで ユースたちの希望の種まき」のオープニングには、ジャーナリストで国連広報センター 所長の根本かおるが登壇。根本かおるは、「ジェーンさんの今回の訪日の目的は「希望は、行動の中に。」——私は、国連の職員としても、1人の人間としても、どんなに小さな行いでも世界を変える力を持っているんだというジェーンさんのメッセージに大変共感する者です。大学の研究室の秘書を出発点にして、研究者へのキャリアを切り開いていった強い意志の持ち主でもあります」とジェーン・グドール博士の経歴や活動、メッセージを称賛、続けて「今日は、ジェーンさんからたくさんのインスピレーションをいただきながら、私たちの意志の力、行動する力、そして協力する連帯の力を考える機会にしたいと思っています」と挨拶し、会場にジェーン・グドール博士を呼び込んだ。ジェーン・グドール博士は、会場いっぱいに集まった子どもや若者たちを前に「これから社会、地球を変えていく準備はできていますか!?」と呼びかけ、挨拶。基調講演として自身の経歴やこれまでの活動、野生のチンパンジー研究の成果を紹介する中で、幼少期からの夢を実現したことについて「アフリカに行って野生の動物と過ごし、本を書くということを10歳で夢見て決意しましたが、80年前の当時、その夢は“アフリカは遠い”“あなたにお金はない”“あなたはただの少女”と多くの人にバカにされ、笑われてしまいました。しかし、そのような中でも1人だけ私の夢を応援してくれる人がいました。それが、私の母です。母は、もしあなたがアフリカに行くという夢があるのであれば、あなたが努力する必要やすべてのチャンスを掴む必要があると言ってくれて、私が夢見ることはすべて応援してくれました」と母親のサポートがあったことを明かし、会場の子どもや若者たちに「“やりたいことがあったら、それをどう笑われようと叶える、やり遂げる道は必ず見つかる”ということです」と語った。さらに自身率いるJane Goodall Institute(ジェーン・グドール インスティテュート)が牽引しアフリカ地域の6カ国で展開している環境保全プロジェクト TACARE(タカリ)や、1991年にタンザニア連合共和国でスタートし、いまでは世界75カ国以上で子どもや若者たちが動物・自然環境・人間(地域社会)に貢献するために自分たちで選び、実践する力を養う人道的プログラム Roots & Shoots(ルーツ&シューツ)について紹介する中で「一人ひとりが毎日何らかの選択をし、その選択が私たちの環境や社会に影響(インパクト)を与えています。若い人たちには、良い選択をしていただき、その選択で人や動物、環境に良い影響を与えてほしい」と伝え、若者たちが問題を認識し、問題意識を持ち、大人たちが若者たちを支援することで、若者たちの行動につながり、若者たちの行動の中に希望があることを説いた。基調講演後にはワークショップが実施され、子どもや若者たちがグループ毎に分かれてファシリテーターと共にRoots & Shootsの「STEP 1 知る・インスピレーションを得る」「STEP 2 探究する・コミュニティマッピングをする」「STEP 3 行動する」「STEP 4 祝福する」という4つのステップを体験。参加した子どもや若者たちは、国籍や年齢、肌の色など“違い”を超え、それぞれの考えや意見を否定せず、受け入れ、尊重し合い、認め合い、先進的な議論をし、成果を発表していた。
今年4月3日(木曜日)に91歳を迎えたジェーン・グドール博士。幼い頃から無類の動物好きで、23歳とのきに人類学の権威でアフリカにおける人類の進化の解明に大きな貢献をした古人類学者のDr. Louis Leakey(ルイス・ルーキー博士/1903 – 1972)と出会い、動物に対する情熱と知識に感銘を受けた同博士から野性のチンパンジーの生態調査を依頼される。1960年、アフリカ タンザニア連合共和国ゴンベ国立公園における研究で、チンパンジーも道具を使うことなど人類に対する理解を根本から変える数々の新発見をした。1986年以降は、悪化する一方の環境破壊と貧困を食い止めるべく、森を離れ、世界中を旅し、大好きな動物や美しい地球を次世代へと繋いでいくべく講演活動を展開。著書やドキュメンタリー番組も多数。2002年には国際連合第7代事務総長のKofi Annan(コフィー・アナン)事務総長より国連平和大使に任命され、2003年にイギリス連邦王国女王のElizabeth II(エリザベス2世)女王陛下より大英帝国勲章を受勲、2024年にアメリカ合衆国第46代大統領のJoe Biden(ジョー・バイデン)大統領より大統領自由勲章を受勲、その他にも世界的権威のある数々の賞を受賞している。
Inspiring Hope Through Action──希望は、行動の中に。ジェーンから受け継いで ユースたちの希望の種まき——Planting Seeds of Hope
日程: 2025年6月12日(木曜日)
時間: 17時00分から19時30分
会場: ブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ昭和(昭和女子大学内)
対象: ユース
内容: ジェーン・グドール博士基調講演、若者のストーリーテリング、Roots & Shootsワークショップ
登壇: Dr. Jane Goodall(ジェーン・グドール博士)、ほか
主催: ジェーン・グドール インスティテュート ジャパン
共催: 五井平和財団、Educators For Future
Inspiring Hope Through Action──希望の光を未来へつなぐ〜次世代のためにできること——Lighting the Path of Hope
日程: 2025年6月13日(金曜日)
時間: 18時30分から20時15分
会場: 東京ウィメンズプラザ ホール(東京都渋谷区神宮前5-53-67)
対象: 教育関係者、保護者
内容: ジェーン・グドール博士基調講演、探究・自然教育の実践者らによるクロストーク
登壇: Dr. Jane Goodall(ジェーン・グドール博士)、ほか
主催: ジェーン・グドール インスティテュート ジャパン
共催: 五井平和財団「講演会シリーズ:21世紀の価値観」第70回 特別企画、Educators For Future
Inspiring Hope Through Action──平和を希求して——Peace, Hope, and Roots & Shoots
日程: 2025年6月14日(土曜日)
時間: 13時00分から18時00分
会場: 東京・国際キリスト教大学(東京都三鷹市大沢3-10-2)
対象: 子どもから大人
内容: 映画試写、ジェーン・グドール博士基調講演、自然再生アクティビティ、Roots & Shootsグループ発表
登壇: Dr. Jane Goodall(ジェーン・グドール博士)、ほか
主催: ジェーン・グドール インスティテュート ジャパン
共催: Educators For Future
Jane Goodall博士が、2023年7月の来日以来約2年ぶりに来日!今回は、前回よりも多くの人々に“希望”を届けるという使命を胸に来日し、3日間に渡って開催される来日記念イベントに登壇する。初日となった昨日は、子どもから若者(ユース)を対象としたイベントとなり、会場には子どもや若者たち、保護者、教育関係者などで超満員!国連広報センター 所長の根本かおるさんに呼び込まれたJane Goodall博士は、サルのミスターHのほかに、豚のピッガソ(ピグガッソ)、熱帯雨林に住んでいるネズミの友達(ぬいぐるみ)を大切に抱えて登場。今回は、講演の中で野生のチンパンジーの生態のほかに、ネズミとピッガソ(ピグガッソ)についても紹介!野生のチンパンジー研究の後、動物行動学の博士号を取るためにケンブリッジ大学に入学した際、科学者たちがJane Goodall博士のやってきたことのすべてを否定したエピソードも披露し「チンパンジーに個性があること、知性があること、嬉しいや悲しい、恐怖などの感情があること、問題解決ができることを口にすることができませんでしたが、幸いなことに私は幼い頃に素晴らしい先生に出会い、科学者たちが否定していることが正しくないということを教えてくれていました。その素晴らしい先生は、私の犬でした」と明かすと、会場が笑いに包まれた。講演後に実施されたRoots & Shootsのワークショップでは、子どもや若者たちが国籍や年齢、肌の色などの“違い”を超え、それぞれの考えや意見を否定せず、受け入れ、尊重し合い、認め合い、先進的な議論をし、結果を発表していたことに感銘を受けた。そこには、ポジティブな“希望”があった。Jane Goodall博士は言う——「すべての存在が大切であり、役割があり、そして一人ひとりが変化を生み出すことができる」——今回の「Inspiring Hope Through Action──希望は、行動の中に。ジェーンから受け継いで ユースたちの希望の種まき」に参加した子どもや若者たち一人ひとりが確実にこの社会を、世界を変える“希望”となる。さらにJane Goodall博士は言う——「理解してはじめて、私たちは思いやることができます。思いやってはじめて、行動することができます。行動してはじめて、希望が生まれるのです。」と——私たち人間は、お互いを知っているようで知らない——動物や昆虫、植物のことも。まずは繋がること、知ることからはじめよう。今日は、東京ウィメンズプラザ ホールにて「Inspiring Hope Through Action──希望は、行動の中に。ジェーンから受け継いで 希望の光を未来へつなぐ 〜次世代のためにできること」が開催され、Jane Goodall博士が登壇予定。