国宝 帝釈天騎象像/平安時代・承和6年(839年)/東寺蔵 ©︎ SAPIENS TODAY Photo by Kentaro Tobe

特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』開幕、密教美術の最高峰と圧巻の立体曼荼羅

国宝 兜跋毘沙門天立像/中国 唐時代/8世紀/東寺蔵
©︎ SAPIENS TODAY
Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

弘法大師空海にまつわる名宝と東寺に伝わる文化財の全貌を紹介する特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』が、2019年3月26日(火曜日)に東京・東京国立博物館 平成館で開幕した。

 

平安京遷都に伴い、王城鎮護の官寺として西寺と共に京都に健立された東寺(真言宗総本山教王護国寺)は、中国・唐で密教を学んで帰国した弘法大師空海が823年に嵯峨天皇から賜り、真言密教の根本道場となった。1934年には日本国の史跡に指定、1994年には古都京都の文化財として世界遺産に登録された東寺には、弘法大師空海が中国から持ち帰った絵画や工芸品、弘法大師空海の書の中でも最も格調が高く、最澄に宛てた三通の書状を貼り継いだ「風信帖」も守り伝えられており、特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』では1,200年に渡って弘法大師空海の教えとともに守り伝えられてきた東寺の数々の至宝の全貌を紹介している。

第1章「空海と後七日御修法」では、学校の教科書でもお馴染みとなっている重要文化財「弘法大師像(談義本尊)」、弘法大師空海を代表する筆跡である国宝「風信帖」、弘法大師空海に中国の師が授けたとされる国宝「密教法具」、国宝「五大尊像」や国宝「十二天像」が展示されているほか、弘法大師空海によって始められた鎮護国家の法会でもあり、真言宗で最も重要でかたく秘された儀式「後七日御修法」が行われる道場の様子も再現されている。選ばれた僧しか入ることができない締め切った道場(御堂)の厳かで宇宙にいるかのような神秘的な雰囲気を味わい、巨大な両界曼荼羅図を前に天皇弥栄、鎮護国家、五穀豊穣、生きとし生けるもののすべての幸せを全身全霊で祈る僧の姿を想像し、弘法大師空海に思いを馳せる。第2章「密教美術の至宝」では、金剛界・胎蔵界を総合した働きを持つ蘇悉地法の際の印の作法を示した重要文化財「蘇悉地儀軌契印図」や密教の灌頂儀礼で用いられた国宝「十二天屏風」、4月23日(火曜日)からは現存最古の彩色両界曼荼羅図の国宝「両界曼荼羅図(西院曼荼羅[伝真言院曼荼羅])」も展示され、密教独特の造形の名品を紹介。第3章「東寺の信仰と歴史」では、諸堂舎・仏像・法会などの改革や現状を記し、東寺を語る上では欠かせない史料である国宝「東宝記」、羅城門伝説に彩られた異色とされる国宝「兜跋毘沙門天立像」など、東寺の信仰と歴史をいまに伝える宝物の数々を紹介。特に、日本各地で信仰を集め、模刻まで造られたと言われる国宝「兜跋毘沙門天立像」は、腰の位置が高くスタイリッシュで、鎧姿が勇ましく、注目の的となっている。そして、最大の見どころとなる第4章「曼荼羅の世界」では、重要文化財「両界曼荼羅図(敷曼荼羅)」、制作当時の姿のまま五体全てが現存する重要文化財「五大虚空蔵菩薩坐像」が展示されているほか、東寺の講堂に安置されている五仏、五菩薩、五大明王、梵天・帝釈天、四天王の21体の仏像から構成された立体曼荼羅のうち、史上最多の15体を展示。仏の世界を表した曼荼羅は密教が奥深い故に文章で表すことが困難であることから図画をかりて表されており、立体曼荼羅はそのイメージの力を重視した到達点ともいえ、密教の根本経典「金剛頂経」の世界観を目に見える形で立体的に表している考えられている。東寺の講堂には今回展示されている国宝「東宝記(巻一)」に記されている通りの位置で密集した仏像群として安置されているが、特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』の会場では360度方向から御姿を見ることができるように一体いったいの間隔を広く取って展示。仏像背後の細かな美しい彫刻跡も必見。とにかく一体いったいが凛々しく神秘的で格好良いというのが印象的で、圧巻。国宝「帝釈天騎象像」のみ来場者が写真を撮影することができる。

 

東寺の八重紅しだれ桜「不二桜」、仁和寺の「御室桜」や醍醐寺の「醍醐の桜」などが咲き誇る京都、そして、JR東海『そうだ 京都、行こう。』の開催真っ只中にも関わらず、弘法大師空海にまつわる名宝と東寺に伝わる文化財の数々が、東京国立博物館に集結しているのは奇跡に近い。この貴重な機会に、日本国古来から生きとし生けるものすべての幸せを願ってきた東寺と密教の大宇宙を体感してほしい。

特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』は、2019年6月2日(日曜日)まで東京・東京国立博物館 平成館で開催(※一部展示替えあり)。

フォトギャラリー

展覧会情報
特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』
National Treasures of To-ji Temple: Kukai and the Sculpture Mandala

立体曼荼羅(前方:国宝 金剛法菩薩坐像/平安時代・承和6年(839年)/東寺蔵) ©︎ SAPIENS TODAY Photo by Kentaro Tobe

  • 日程: 2019年3月26日(火曜日)から6月2日(日曜日)
  • 時間: 9時30分から17時00分 会期中の金曜日・土曜日 9時30分から21時00分(入館は閉館の30分前まで)
  • 休館: 月曜日、5月7日(火曜日)※4月1日(月曜日)は東寺展会場のみ開館、4月29日(祝日・月曜日)・5月6日(振替休日・月曜日)は開館
  • 会場: 東京・東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
  • 料金: 一般 当日 1,600円(税込) 団体 1人 1,300円(税込) / 大学生 当日 1,200円(税込) 団体 1人 900円(税込) / 高校生 当日 900円(税込) 団体 1人 600円(税込) / 中学生以下無料 / 障がい者とその介護者1名無料 ※団体は20名様以上
  • チケット: 東京国立博物館正門チケット売場(窓口・開館日のみ・閉館の30分前まで販売)にて販売
  • 音声ガイド: 佐々木蔵之介(俳優)
  • 主催: 東京国立博物館、真言宗総本山教王護国寺(東寺)、読売新聞社、NHK、NHKプロモーション
  • 特別協賛: 大和証券グループ
  • 協賛: NISSHA
  • お問い合わせ: ハローダイヤル 03-5777-8600

特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』
National Treasures of To-ji Temple: Kukai and the Sculpture Mandala
https://toji2019.jp

 

特別展『国宝 東寺—空海と仏像曼荼羅』

 

   
error: