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近未来を描き続けた巨匠シド・ミードが逝去—映画『ブレードランナー』『エイリアン』等のコンセプトアートも手掛ける

 
映画『Blade Runner』(邦題『ブレードランナー』)
Downtown City Scape, Blade Runner © Syd Mead, Inc. © 1982 The Blade Runner Partnership. All Rights Reserved.
Syd Meed(シド・ミード)

Photo by Jenny Risher

1982年公開の映画『Blade Runner』(邦題『ブレードランナー』)や1986年公開の映画『Aliens』(邦題『エイリアン』)などのコンセプトアートやデザインを手掛け、自身をVisual futurist(ヴィジュアル・フューチャリスト)と称するインダストリアル・デザイナー/近未来的コンセプト・アーティスト/イラストレーターのSyd Mead(シド・ミード)が逝去した。

 

家族によると、シド・ミードはアメリカ合衆国現地時間2019年12月30日(月曜日)のカリフォルニア州パサデナにある自宅でリンパ腫によって亡くなった。86歳だった。

1933年にアメリカ合衆国ミネソタ州で生まれたシド・ミードは、幼少期から優れた画才を持ち、高校を卒業した後は映画制作会社でアニメーターとして働く。兵役を終えた後、Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)の奨学金でArt Center School(アート・センター・スクール)/現・Art Center College of Design(アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン)に通い、卒業後はFord Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)でカーデザインを担当。1961年に退社し、インダストリアル・デザイナー/コンセプト・アーティスト/イラストレーターとして活動。United States Steel Corporation(ユナイテッド・ステーツ・スチール)やVolvo Car Corporation(ボルボ・カー)、NASA(アメリカ合衆国航空宇宙局)など国内外の幅広いクライアントを抱え、近未来的で斬新なヴィジュアルを制作した。1970年代後半にSF映画が大人気を博したことでシド・ミードの近未来的で斬新なデザインやイラストもさらに注目されるようになり、1982年公開の映画『ブレードランナー』や1979年公開の映画『Star Trek』(邦題『スター・トレック』)、1982年公開の映画『TRON』(邦題『トロン』)、1986年公開の映画『エイリアン』などのコンセプトアートを手掛けた。日本国とも縁が深く、宇宙戦艦ヤマトシリーズやガンダムシリーズのメカニックデザインを手掛けたほか、様々なポスターアートや商業施設、テーマパーク、プロダクトのデザインを担当。大規模な展覧会も開催され、今年2019年4月に東京で開催された展覧会『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』には国内外から約32,000人超が来場した。今年2019年9月には現役からの引退を表明し、YouTubeチャンネルのインタビューに答える形で引退について語った。シド・ミードは、インタビューの中で、デザインの仕事について「車のデザインが一番好きだった」と語り、人生の中で最も気に入っている車は「フォード時代にショーに出展したフル機能のピックアップトラックだ」と仕事と人生を振り返っている。

シド・ミードの訃報を受け、シド・ミードの影響を受けた世界中のアーティストやデザイナー、ファンがソーシャルメディアに追悼コメントを投稿。シド・ミードの影響を色濃く感じるピックアップトラック「Cybertruck」(サイバートラック)を発表したTesla(テスラ)最高経営責任者のElon Musk(イーロン・マスク)も「Rest in peace Syd Mead. Your art will endure.」(シド・ミード、安らかに。あなたのアートは残り続けます。)とツイートして追悼した。

LEGENDARY VISUAL FUTURIST SYD MEAD ANNOUNCES RETIREMENT

 

シド・ミードさんがご逝去されたとの訃報に接し、謹んで哀悼の意を表します(編集部一同)。

 

© Syd Meed, Inc.

 

 
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