展覧会『京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―』開幕、日本人が護り伝えてきた大切なもの

 
重要文化財 如意輪観音坐像/平安時代/醍醐寺蔵 ©SOUL SAPIENS Photo by Joji Idaka

重要文化財 如意輪観音坐像/平安時代/醍醐寺蔵
©SOUL SAPIENS Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

展覧会『京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―』が、2018年9月19日(水曜日)に東京・サントリー美術館で開幕した。

 

開幕に先駆け、2018年9月18日(火曜日)には開会式と法要、内覧会が開催され、関係者を含む約730人が出席。

展覧会『京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―』は、「聖宝、醍醐寺を開く」、「真言密教を学び、修する」、「法脈を伝える―権力との結びつき」、「義演、醍醐寺を再びおこす」の4章から構成されており、日本国の国宝や重要文化財に指定された仏像や仏具、仏画、密教美術、普段は公開されていない貴重な史料や書跡を通じて、空海の直系の孫弟子にあたる理源大師聖宝によって874年(貞観16年)に京都の山科盆地に開かれて以来、常に歴史の表舞台で重要な役割を果たしてきた醍醐寺の変遷をたどることができる。会場に入って目に飛び込んでくるのは、醍醐寺と安土桃山時代に豊臣秀吉が行った「醍醐の花見」を象徴する桜をガラスに閉じ込めたオブジェ。醍醐寺は、桜の名所としても知られ、三宝院には「醍醐の花見」が行われた当時に咲いていたであろう“太閤しだれ桜”の遺伝子を継ぐクローン桜“太閤千代しだれ”が植えられており、春になると綺麗に咲き誇る。足を進めると、暗闇の中で美しい輝きを放つ重要文化財「如意輪観音坐像」が現れ、その優麗な姿に心を掴まれる。さらに快慶作の重要文化財「不動明王坐像」、醍醐寺の信仰を象徴し、平安彫刻の白眉に数えられる重要文化財「五大明王像」、圧倒される大きさと威厳の表情とは逆に見れば見るほど癒しを感じる国宝「薬師如来坐像および両脇侍像」、修法の次第や方法、本尊の図像についての記録、それぞれの時代の為政者からの帰依を表す文書や縁の品々など、選りすぐりの貴重な名宝約100件が一堂に会している。

総本山醍醐寺 真言宗醍醐派 座主の仲田順和猊下は、開会式で「1,100年間、それぞれの祈りが込められた薬師如来の前で、時代の一番先端に立つ皆様にもお祈りいただきたい」と挨拶。また、総本山醍醐寺 真言宗醍醐派宗務本庁 公室室長の長瀬福男は、説明会で「目の前にある御薬師さんは、醍醐寺の草創から残っている数少ない仏様です。皆さんに知っていただきたいのは、何度も失われる危機があったということです。今回展示しているものは、奇跡的に、そして、僧侶や信徒、みんなの力で護って、何とか難を逃れてきたものばかりです。薬師堂も一度は焼けています。その時の明確な記録はありませんが、私が聞いている限りでは、大変な山火事が起きたとき、当時の僧侶は御薬師さんを何とか護りたいと、いざとなれば首だけでも落とそうと思われたのか鋸を持って薬師堂の中に入られたと聞いています。幸い色んな人の助けがあり、いまのように皆さんに見ていただくことができています。一つひとつ、どれをとってもみんなが努力をして護った、日本人が護ってきた大切なものです。それを感じ取っていただければ幸いです」と涙ながらに語った。続けて、SOUL SAPIENS|ソウルサピエンスのインタビュー取材に対し、台風21号の影響について「関西を襲った台風21号の影響で、醍醐寺も予想以上の倒木があり、いまも拝観できない場所がたくさんあります」と、醍醐寺が台風21号の被害を受け、未だに一部のエリアが拝観停止になっていることを明かした。一日も早い復興と再開を願いたい。

 

醍醐寺では、2002年に霊宝館で発見され、仏師の快慶が作った可能性があるとされる、水晶の中に阿弥陀如来立像を納めた「水晶宝龕入り木造阿弥陀如来立像」を2018年10月15日(月曜日)から12月10日(月曜日)まで初公開することも発表されており、展覧会『京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―』と一緒にさらなる注目を集めている。

展覧会『京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―』は、11月11日(日曜日)まで東京・サントリー美術館で開催。その後、来年2019年1月29日(火曜日)から3月24日(日曜日)まで福岡・九州国立博物館で開催される。

フォトギャラリー

※準備中

写真: 井高 成二
写真: 江渕 良平 a.k.a. CHALLENGER

 

展覧会情報
京都・醍醐寺―真言密教の宇宙― [東京展]
Daigoji Temple: A Shingon Esoteric Buddhist Universe in Kyoto

国宝 薬師如来坐像および両脇侍像 ©SOUL SAPIENS Photo by Joji Idaka

  • 日程: 2018年9月19日(水曜日)から11月11日(日曜日)
  • 休館: 火曜日 ※ただし11月6日(火曜日)は18時00分まで開館 ※ショップ&カフェは会期中無休
  • 時間: 10時00分から18時00分(金曜日・土曜日・9月23日(祝日・日曜日)・10月7日(日曜日)は20時00分まで開館) ※いずれも入館は閉館の30分前まで
  • 会場: サントリー美術館(東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア 3F)
  • 料金: 一般 当日券 1,500円(税込) / 大学・高校生 当日券 1,000円(税込) / 中学生以下 無料
  • 主催: 総本山醍醐寺、サントリー美術館、日本経済新聞社、テレビ東京、BSジャパン
  • 協賛: 京都銀行、サントリーホールディングス、住友林業、損保ジャパン日本興亜、ダイキン工業、竹中工務店、NISSHA、三井不動産
  • 備考: 会期中に展示替を行います。
  • お問い合わせ: サントリー美術館 03-3479-8600

京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―
Daigoji Temple: A Shingon Esoteric Buddhist Universe in Kyoto
http://daigoji.exhn.jp/

 

©京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―

 

 
 
 
error: