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過去最大規模で上陸した展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』が開幕—強烈なメッセージ性溢れる作品が衝撃と気付きを与える

遂に日本国でのBanksy Yearがスタート!過去最大規模で上陸した『バンクシー展 天才か反逆者か』の全貌と見どころはいかに!?プロデューサー兼キュレーターが語ったこととは!?記事を読み進めよう!

 
BANKSY GENIUS OR VANDAL?|展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』
Girl with Balloon by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

アーティストのBanksy(バンクシー)は、顔や本名、プロフィールはもちろん、素性を一切明かさない正体不明。1994年頃にアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨークに滞在し、グラフィティを始め、1990年代半ばにはフリーハンドからステンシルへと技法を転向していく。1999年頃にはイギリス(連合王国)ロンドンに拠点を移す。その後、芸術テロリストと称される過激なスタイルで、イギリス(連合王国)ロンドンを中心に世界中のストリートや壁、公的空間に社会風刺や社会的・政治的メッセージをユーモア溢れるキャッチーなグラフィティや立体造形などで表現するほか、アメリカ合衆国・ニューヨーク現代美術館、イギリス(連合王国)・大英博物館、フランス共和国・ルーヴル美術館などの世界規模の美術館・博物館にゲリラ的に作品を展示する。2010年には自身が監督を務めたドキュメンタリー映画『Exit Through the Gift Shop』(邦題『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』)が公開されたほか、2014年にはドキュメンタリー映画『Banksy Does New York』(邦題『バンクシー ・ダズ・ニューヨーク』)、2017年にはドキュメンタリー映画『Saving Banksy』(邦題『セービング・バンクシー』)、2018年にはドキュメンタリー映画『The Man Who Stole Banksy』(邦題『バンクシーを盗んだ男』)などが公開され、映画化・映像化されてきた。しかし、いまだにすべてが謎に包まれており、不思議な存在感が人々の興味・関心をより駆り立てている。

2018年にイギリス(連合王国)のSotheby’s(サザビーズ・オークションハウス)で開催されたオークションでは、赤いハートの風船に手を伸ばす少女を描いた『Girl with Balloon』(『ガール・ウィズ・バルーン』)が約150,000,000円で落札・売却された直後に額縁に仕込間んだシュレッダーで作品の半分を細断し、『Love is in the Bin』(『ラブ・イズ・イン・ザ・ビン』)を誕生させたほか、昨年2019年10月に同国同会場で開催されたオークションでは、チンパンジーに占拠されたイギリス(連合王国)下院の議場を描いたバンクシー作品史上最大の『Monkey Parliament』(『モンキー・パーラメント』)別名『Devolved Parliament』(『ディバルヴ・パーラメント』)がバンクシー作品史上最高落札額となる約1,300,000,000円で落札・売却され、世界中で話題になったのも記憶に新しい。

数年前まではすぐに消されてしまっていたストリートや壁、公的空間に描かれた作品は、バンクシーが過度な資本主義、暴力、テロリズム、人種差別、パレスチナ・イスラエル問題、児童労働などの世界情勢や社会問題を観察し、その中から誰もが興味を持つ出来事を取り上げ、起きている問題の深刻さを独特の表現方法で提示していることが知られ、注目されるようになると、世界的な知名度も社会的・芸術的価値も高くなり、保存・コレクションされることはもちろん、盗難されたり、無断で売買されたりすることも多く、オリジナル作品が人目に触れる機会は減少した。

Obey(オーベイ)の名やグラフィティでも知られるアーティスト/デザイナーのShepard Fairey(シェパード・フェアリー)は、バンクシーとその作品について「彼の作品は、言語の壁を超越したメタファーでいっぱいである。そのイメージは面白く、ウィットに富んでいる。にも関わらず、とてもシンプルでわかりやすい。文化的対立という概念のない6歳の子どもであっても、バズーカ砲を手にしたモナ・リザを見れば、何か尋常じゃないとすぐに理解できるはずだ」と語っている。

バンクシーに恋し、愛した漢

展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』

Alexander Nachkebia|アレクサンダー・ナチケビア ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

ロシア連邦を中心に世界中で様々なアーティストの展覧会・巡回展を開催し、2018年から本展覧会を世界5都市で開催してきたプロデューサー兼キュレーターであり、IQ Art Management Corporation(IQアート・マネージメント・コーポレーション)創設者/CEOのAlexander Nachkebia(アレクサンダー・ナチケビア)が、内覧会の開催に合わせて来日し、バンクシーやバンクシーの作品、本展覧会について語った。

——バンクシー作品との出会い

私は、個人的にバンクシー本人と知り合いではありませんが、初めて彼の作品に触れたのは2006年にロサンゼルスで開催された展覧会『Barely Legal』(『べアリー・リーガル』)でした。私は、当時アメリカに住んでいたのですが、アーティストのShepard Fairey(シェパード・フェアリー)にもこの展覧会に行くことを勧められて見に行ったところ、非常に感銘を受けました。バンクシーの作品は、他のストリート・アーティストとはまったく違うものと感じており、直接心にストンと落ちると言いますか、訴えかけるものだと思います。展覧会を見に行って以来、ずっとバンクシーの作品を探し続けました。バンクシーの作品が出現すれば、すぐに消されてしまうので、必ずその場所に行って写真に収めるようにもしてきました。2006年以来14年間、彼と彼の作品を探し続けました。

——バンクシー展の開催に向けて

2016年に遡りますが、私の会社では、いままで様々なアーティストの展覧会・巡回展を手掛けてきましたが、次は誰の展覧会・巡回展を開催しようかというときに、そろそろバンクシーの展覧会・巡回展をやってみようということになりました。というのも、いままで彼自身が開催した展覧会はありましたが、それを除く展覧会・巡回展はなく、彼がブリストル美術館で開催した展覧会が最後で、その後長い間開催されていませんでした。展覧会・巡回展をどのようにやっていくのかということで、様々な人脈を辿ってバンクシーの知人という人たちや作品のコレクターに連絡を取り、たくさんの作品を集めることができました。

 

バンクシー展 天才か反逆者か BANKSY GENIUS OR VANDAL?

 

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バンクシーの本物の作品が世界中から集結した。作品を見ていると、どストレートに様々なことを問いかけられ、世界と社会のリアルな現状が見えてくる。いまこの時代だからこそ、日本人も日本国と世界の問題に目を向け、もっと考えなければならない。

 
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