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伝教大師1200年大遠忌記念 特別展『最澄と天台宗のすべて』が10月より開催—天台ゆかりの貴重な宝物や秘仏等が集結

伝教大師最澄の1200年大遠忌を記念した特別展が、東京・九州(福岡)・京都の国立博物館を巡回して開催される!どのような展覧会になるの!?記事を読み進めよう!

 
伝教大師1200年大遠忌記念 特別展『最澄と天台宗のすべて』
重要文化財 薬師如来坐像/平安時代・12世紀/岐阜・願興寺(蟹薬師)蔵/展示会場:東京
伝教大師1,200年大遠忌記念 特別展『最澄と天台宗のすべて』

国宝 聖徳太子及び天台高僧像 十幅のうち 最澄/平安時代・11世紀/兵庫・一乗寺蔵/展示会場:東京(期間10月12日(火曜日)〜11月7日(日曜日))、京都

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展『最澄と天台宗のすべて』が、2021年10月12日(火曜日)より東京・東京国立博物館 平成館での開催を皮切りに、全国3つの国立博物館を巡回して開催される。

 

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展『最澄さいちょう天台宗てんだいしゅうのすべて』は、平安時代のはじめに仏教界に新風をもたらした伝教大師でんぎょうだいし最澄さいちょうの1200年大遠忌だいおんき遠忌おんきとは、仏教諸宗派の宗祖や中興の祖の遺徳をたたえるため、50年忌以降、50年ごとに行う年忌法会)を記念して開催される展覧会で、滋賀・比叡山ひえいざん延暦寺えんりゃくじにおける日本天台宗の開宗から、江戸に東叡山とうえいざん寛永寺かんえいじを創建して太平の世を支えた江戸時代に至るまでの天台宗の歴史、比叡山延暦寺が所蔵する宝物をはじめ、全国各地の天台宗諸寺院等で守り伝えられてきた秘仏や宝物、『法華経ほけきょう』の説く万民救済の精神をあらわす文化財の数々を、巡回する全国3会場(東京・九州・京都)それぞれの地域的な特色を示しながら紹介する。

東京会場となる東京国立博物館 平成館では、寺外初公開となる京都・真正極楽寺しんしょうごくらくじ真如堂しんにょどう)の秘仏本尊・重要文化財 阿弥陀如来立像、同じく寺外初公開となる岐阜・願興寺がんこうじ蟹薬師かにやくし)の秘仏本尊・重要文化財 薬師如来坐像、同じく寺外初公開となる京都・法界寺ほうかいじの秘仏・重要文化財 薬師如来立像、205年ぶりの出開帳及び展覧会史上初出展となる日本国最大約2mの僧形肖像彫刻で東京・深大寺じんだいじの秘仏 慈恵大師じえだいし良源りょうげん坐像ざぞう、同じく深大寺が所蔵する東日本最古の国宝仏・国宝 釈迦如来倚像しゃかにょらいいぞう、滋賀・観音寺かんのんじ所蔵の重要文化財 伝教大師(最澄)坐像、栃木・輪王寺りんのうじ所蔵の重要文化財 慈眼大師じげんだいし天海てんかい)坐像など、寺外初公開を含む天台ゆかりの秘仏や仏像、肖像が全国から集結し一堂に会すほか、現存最古の最澄の肖像画を含むインド・中国・日本国の天台ゆかりの人物たちが描かれた貴重な平安絵画である国宝 聖徳太子しょうとくたいしおよ天台高僧像てんだいこうそうぞう 十幅じゅっぷくのすべてが11月2日(火曜日)から11月7日(日曜日)まで期間限定で公開(限定期間前後は、展示替えをしながら六幅を公開)、現存する唯一の最澄自筆の手紙とされ、当時空海くうかいのもとにいた愛弟子 泰範たいはんに宛てた国宝 尺牘せきとく久隔帖きゅうかくじょう)が10月12日(火曜日)から10月31日(日曜日)まで期間限定で公開。さらに最澄自作と伝えられる秘仏本尊 薬師如来像と最澄が灯して以来消えたことのない“不滅ふめつ法灯ほうとう”が安置されている比叡山延暦寺の総本堂 国宝 根本中堂こんぽんちゅうどうの内部(一部)も再現展示され、仏堂としては極めて珍しい秘仏本尊と“不滅の法灯”、参拝者が同じ高さに位置する構造と、“すべての人が仏に成れる”という『法華経』の精神を体感することができる。江戸時代に“東の比叡山”と言われる寛永寺を創建して徳川幕府と強固な関係を築き、徳川家の庇護のもと生み出された華麗な江戸天台の名宝も公開され、最澄が比叡山を拠点に『法華経』の教えを実践し、その功徳をひろく分かち合うため、東国(現在の関東地方)を中心に全国に浸透させた天台宗の精華が窺える、東京会場ならでは、そして寛永寺のある上野ならではの見どころ十分な内容と貴重な機会となる。九州会場となる福岡・九州国立博物館、京都会場となる京都・京都国立博物館では、東京会場では展示されない仏像や肖像なども公開され、それぞれの地域の特色や伝教の歴史を交えた内容になる。

音声ガイドのナビゲーターは、歌舞伎役者/俳優の市川猿之助が担当。市川猿之助は、本展のナビゲーターを務めることについて「比叡山には折に触れ、足を運んでおります。今なお変わらず、信仰の場として、伝教大師最澄の教えが息づいている、日本の数少ない聖地である延暦寺をはじめ、天台宗の寺院などには貴重な宝が伝えられています。この度の大遠忌を機に、その数々が公開される事は、私たちにとって、誠に稀有な体験になるに違いありません。本展覧会において、音声ガイドをさせていただく幸せに身が震えるような感動を覚えております。」とコメントを寄せた。

伝教大師最澄は、真言宗しんごんしゅうを開いた弘法大師こうぼうだいし空海くうかいとならんで、804年にとう(現在の中華人民共和国)に渡って天台教学や密教、禅を学び、それらの教えと多くの経典や法具を携えて帰国し、広め、新しい平安仏教の一翼を担った名僧で、日本天台宗の開祖。最澄が開宗した日本天台宗は、釈迦しゃかの教えの中でも『法華経』こそが完全円満な究極の教え(円教えんぎょう)であるとしたずい時代の天台大師てんだいだいし智顗ちぎの仏教理念をもとに、最澄が唐で学んだ密教・禅・大乗戒を加えた「円教・密教・禅・大乗戒」の4つの柱を特色とし、最澄は“すべての人が仏に成れる”=“あらゆるすべての人々を救う”という平等思想を説いた『法華経』の理想の世界を実現することに生涯を捧げた。最澄が比叡山に創建した比叡山寺またの名を日枝山寺(後、822年、最澄の死を惜しんだ嵯峨天皇が「延暦寺」という寺号を授与)は、日本国史上、多くの高僧を排出し、彼らが説いた多様な教えは日本文化に大きな影響を及ぼしてきた。

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展『最澄と天台宗のすべて』は、2021年10月12日(火曜日)から11月21日(日曜日)まで東京・東京国立博物館 平成館で開催され、その後、来年2022年2月8日(火曜日)から3月21日(祝日・月曜日)まで福岡・九州国立博物館、4月12日(火曜日)から5月22日(日曜日)まで京都・京都国立博物館で開催される。

INFORMATION

 
日程: 2021年10月12日(火曜日)から11月21日(日曜日)
時間: 9時30分から17時00分
休館: 月曜日
会場: 東京・東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園13-9)
料金: 事前予約制 一般 前売日時指定 2,100円(税込) 当日 2,200円(税込) / 大学生 前売日時指定 1,300円(税込) 当日 1,400円(税込) / 高校生 前売日時指定 900円(税込) 当日 1,000円(税込) / 中学生以下・未就学児、障がい者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料日時指定券の予約が必要です / 音声ガイド 有料
注意: 新型コロナウイルスによる感染症の感染拡大状況により、展覧会の内容・会期等が変更になる場合があります。変更の場合は、展覧会公式サイトで随時お知らせします。新型コロナウイルスによる感染症の感染拡大防止のため、入館時の検温と手指の消毒、マスク着用、ソーシャルディスタンス等が必須となります。
備考: 会期中、一部展示替えあり。東京会場(東京国立博物館 平成館)終了後、来年2022年2月8日(火曜日)から3月21日(祝日・月曜日)まで福岡・九州国立博物館、4月12日(火曜日)から5月22日(日曜日)まで京都・京都国立博物館で開催。
お問い合わせ: ハローダイヤル 050-5541-8600(9時00分〜20時00分/年中無休)

 

 

伝教大師1200年大遠忌記念 特別展『最澄と天台宗のすべて』

これまでは仏像・仏師や寺社仏閣にフォーカスされた特別展が多かったが、今回の特別展は日本仏教・日本文化に多大な影響を与えてきた人物のひとり伝教大師最澄と、天台宗という宗派の歴史や宝物にフォーカス。そして、東京・九州(福岡)・京都と、3地域の特色を交えて紹介される。特に東京会場では、日本全国の天台諸寺院等が守り伝えてきた秘仏・仏像・肖像が全国から集結し、一堂に会すとあって注目を集めている。中でも、今年、東京・深大寺でご開帳予定だった秘仏 慈恵大師(良源)坐像は、新型コロナウイルスによる感染症パンデミックの影響で堂内でのご開帳が難しく、205年ぶりに出開帳し、本展でご開帳される。疫病退散のご利益でも知られていることから多くの来場者が予想される。

 
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