映画『フェラーリ』マイケル・マン監督“エンツォは権力と闘い、我が道を行く”—1ミリの差も重視した狂気の作品づくり
映画『フェラーリ』の特別映像が公開された!どのような特別映像になっているの!?記事を読み進めよう!
映画『Ferrari』(邦題『フェラーリ』)の特別映像〈マイケル・マンの情熱と狂気編〉が公開された。
今回公開された特別映像〈マイケル・マンの情熱と狂気編〉は、本作の監督を務めた映画監督/脚本家/プロデューサーのMichael Mann(マイケル・マン)監督の作品作りに対する並々ならぬ情熱を超えた狂気とも言えるこだわりを垣間見ることができる。冒頭、マイケル・マン監督が「ただの傍観者でいるのは好きじゃない、その世界を体感できないとね」と、自身も撮影現場で体感しながら制作を進め、“本物主義”を貫く。本作の舞台となる1950年代のイタリア共和国の当時を完全再現、車両やセット、衣装だけでなく、外観の細部やその時代を生きる人々の心理面を含めた描写まで追求し、世界観を創造したという。本作の製作総指揮を務め、主人公 エンツォ・フェラーリを演じた俳優のAdam Driver(アダム・ドライバー)は「監督のメモの90%が人物の内面でした」と明かし、エンツォ・フェラーリとその周囲の人物の心理に重きを置くことで、当時の文化的現実と心理的現実を忠実に再現し、エンツォ・フェラーリの人物像と起死回生を賭けた1年の人間ドラマを浮き彫りにした。エンツォ・フェラーリの愛人 リナ・ラルディを演じた俳優のShailene Woodley(シェイリーン・ウッドリー)が「監督は演技と同様に光の動きにもこだわる。照明やカメラワークも含めてさまざまな要素に注意を払う。監督は指揮官で、息のあった演奏を期待している」と語るように、マイケル・マン監督の「カラヴァッジョの絵画のように劇的に光を差し込ませたかった」という超難題とも言えるリクエストを、本作の撮影監督を務めたシネマトグラファーのErik Messerschmidt(エリック・メッサーシュミット)が見事に映像で体現し、一方でレースシーンでは観客が猛スピードで疾走する車の助手席に乗り込み、まるで自分もハンドルを握っているような未体験の没入感と臨場感を体験することができる映像撮影に成功している。
マイケル・マン監督は、エンツォ・フェラーリについて「エンツォは敬虔な人なので権威・権力に意義を唱え(権力と闘い)、自分の道を切り開く(我が道を行く)。ただ自由にやるのとは違う。権力から圧力がかかるのだからね。それがエンツォの価値観(生き様)であり、それがすべてで挑戦だった」と、集まったマスコミに向けてアダム・ドライバー演じるエンツォ・フェラーリが「スケープゴート(身代わり)を探しているなら私はここにいる」と言う本編映像に重ねて語った。
“F1の帝王“エンツォ・フェラーリの波乱と激動の1年を描く衝撃の実話—映画『Ferrari』(邦題『フェラーリ』)は、絶賛上映中。
《STORY》1957年。イタリアの自動車メーカー「フェラーリ」の創始者 エンツォ・フェラーリは激動の渦中にいた。妻ラウラとともに設立した会社は経営の危機に瀕し、1年前の息子ディーノの死により家庭は破綻。その一方で、愛するパートナー、リナ・ラルディとの間に生まれた息子ピエロを認知することは叶わない。再起を誓ったエンツォは、イタリア全土1000マイルを走る過酷なロードレース“ミッレミリア”にすべてを賭けて挑む——。
公開: 2024年7月5日(金曜日) 全国で公開
監督: Michael Mann(マイケル・マン)
脚本: Troy Kennedy Martin(トロイ・ケネディ・マーティン)
原作: Enzo Ferrari: The Man, the Cars, the Races, the Machine by Brock Yates(ブロック・イェイツ著『エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像』)
出演: Adam Driver(アダム・ドライバー)、Penélope Cruz(ペネロペ・クルス)、Shailene Woodley(シャイリーン・ウッドリー)、Patrick Dempsey(パトリック・デンプシー)、ほか
配給: キノフィルムズ
映画『Ferrari』は、日本国内オープニング興行収入初登場第5位スタート!“F1の帝王“Enzo Ferrariの波乱と激動の1年(実話)、特に人間ドラマに焦点を当てて描かれているので、フェラーリのレーシングカーやカーレースだけを期待して観ると予想外の内容かもしれないが、愛息子の死、不倫、破産・廃業寸前で起死回生を賭けた『Mille Miglia』参戦・・・と、ストーリーを通してEnzo Ferrariの人物像が紐解かれ、創業者 Enzo Ferrariあってのフェラーリであることもわかる。Michael Mann監督が語る「エンツォは敬虔な人なので権威・権力に意義を唱え(権力と闘い)、自分の道を切り開く(我が道を行く)。ただ自由にやるのとは違う。権力から圧力がかかるのだからね。それがエンツォの価値観(生き様)であり、それがすべてで挑戦だった」が本作のすべてを物語る。