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愛され続けるキース・ヘリングを体感「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」—作品と向き合い、あなた自身が意味を考える

展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が東京・森アーツセンターギャラリーで開催されている!どのような展覧会になっているの!?記事を読み進めよう!

 
Keith Haring Art to the Street|キース・ヘリング展 アートをストリートへ
SAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーの安西凌河さん(学生)の背後には《キース・ヘリング》ツェン・クウォン・チ/1987年 Keith Haring Artwork ©︎ Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

Keith Haring|キース・ヘリング第1章 Art in Transit

1978年、アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグからニューヨークに移り住み、スクール・オブ・ビジュアル・アーツに入学したキース・ヘリングは、絵画だけでなく、映像やインスタレーションなど多様な美術表現を学びながら、美術館や画廊といった従来の展示空間から公共空間でアートを展開する方法を模索。中でも、人種や階級、性別、職業に関係なく最も多くの人が利用する地下鉄(サブウェイ)に注目した。“ここに描けばあらゆる人が自分の作品を見てくれる”と、地下鉄駅構内の空いている広告板の黒い模造紙(マット紙)にチョークでドローイングをし、シンプルに素早く描いた光り輝く赤ん坊、吠える犬、光線を出す宇宙船はニューヨーカーを魅了、多くの人々の心と記憶に残った。

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1981-83年/チョーク、紙、板/123.5×172.2cm/中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation

1981年、人々の日常の一部として多くの人に見てもらうことのできる場所として、ニューヨークの地下鉄駅構内の空いている広告板に次の広告が掲示されるまでの間に糊で貼られた黒い模造紙(マット紙)にチョークで描く“サブウェイ・ドローイング”をスタート。“キャンバスが違うところにあるのではないか”“公共にアートを”ということを常に考えていたキース・ヘリングは、ストリートや公共施設、公共物に描くグラフィティアーティストに刺激を受けリスペクトしつつも、彼らとは一線を画し、地下鉄駅構内の空いている広告板に目をつけた。言うまでもなく地下鉄駅構内の空いている広告板であっても公共施設や公共物へのグラフィティは違法なため、警察や自警団に捕まらないように素早く3〜5分で描き、電車に飛び乗って次の駅へと向かい、また描くということを繰り返す。誰かとコミュニケーションを取りながら描きたかったキース・ヘリングは、ニューヨーカーが地下鉄に乗る日中に描いていたが、じっくり描きたいときには夜中に駅構内に忍び込んで描いていたこともあったという。コミカルで人々の思考や想像力を刺激するイメージは、瞬く間にニューヨーカーを魅了した。次第に評判を呼び、有名になると、駅員がドローイングを剥がす前にファン(コレクター)が見つけて剥がすという争奪戦が始まり、ファン(コレクター)が剥がしたドローイングを売買するようになったため、1986年にこのプロジェクトを中止。ドローイングが広告板に残った“展示”期間は、数時間、長くても数日という短い期間だったようだ。猿のような動物が大勢の人びとに持ち上げられている社会風刺的な作品や、ニューイヤーズ・グリーティング(新年の挨拶)のようなコミュニケーションツールとしての作品も制作した。

 
Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1981-83年/チョーク、紙、板/中村キース・ヘリング美術館蔵、マストス・ギャラリー蔵、タッカー・ヒューズ蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1981-83年/チョーク、紙、板/123.5×172.2cm/中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

《無題(サブウェイ・ドローイング)》 1982年/チョーク、紙、板/タッカー・ヒューズ蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

本展では、ニューヨークのMartos Gallery(マルトス・ギャラリー)と、アートコレクターでヒューズ・コミュニケーションズ 社長のタッカー・ヒューズの特別な協力により日本国初公開5点を含む全7点のサブウェイ・ドローイングが集結。1980年から始まった“サブウェイ・ドローイング”は約5年続き、作品数は数千点に及ぶとされるが、キース・ヘリングを語る上で重要な作品でありながら、技法・材質から保存・管理が難しく、またその特性から消失あるいは所在不明のものがほとんどであり、保存状態の良いサブウェイ・ドローイングがまとまった形で展示されるのは非常に稀有である。

Keith Haring Art to the Streets|キース・ヘリング展 アートをストリートへ

地下鉄駅構内でサブウェイ・ドローイングを剥がす様子を再現しているタッカー・ヒューズさん ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi


 

All Keith Haring Artwork ©︎Keith Haring Foundation ©︎ Keith Haring Foundation. Licensed by Artestar, New York.
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展覧会「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」は、Keith Haringの作品約150点が集結。Keith Haringの活動初期を語る上で欠かせない重要な作品であるSubway Drawingも日本国初公開を含む保存状態の良い7点が公開されている。Keith Haringは自身を開放・解放し、アートを日常に拡散させたことで、作品を見る者が新たな解釈や意味を考え作品に与える——作品を通してKeith Haringと見る者、そして見る者同士がコミュニケーションを取る=影響を与え合う。彼が目指したヴィジュアルコミュニケーションを本展でも体感することができる。彼の開放・解放、開放感・解放感のある作品は、あなたに安心感や共感も与えるだろう。本展のスペシャルコンテンツとして、「ヘリングの時代」をテーマに藤原ヒロシ氏によるスペシャルプレイリストがSpotifiで公開されている。Keith Haring氏がジャケットを手がけたDavid Bowie氏のシングル「Without You」やPeech Boysのシングル「Life is Something Special - Special Edition」、さらにはKeith Haringが体にペインティングをしたGrace Jones女史の「I’m Not Perfect (But I’m Perfect For You」なども!本展と併せてチェックを!本展の内覧会に出席したSAPIENS TODAY|サピエンストゥデイ公式アンバサダーの安西凌河さん(学生)は、本展について「1970年代、1980年代って良いですよね!そんな時代に活躍したキース・ヘリングの世界観とメッセージに深く触れることのできる展覧会でした!サブウェイ・ドローイングをまとめて見ることができるのもとても貴重です。キース・ヘリングの描写も展覧会の展示の方法もユニークで、普段アートに触れていない人でも飽きることなく最後まで楽しむことができると思います。グッズもとても豊富、どれも可愛くて僕も買わせていただきました!素敵な思い出を持ち帰ることができました」と感想をコメントした。Keith Haringとは何者か——彼のメッセージとは——ぜひ、会場で体感してほしい!

 
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