Mamoru Hosoda × Daisuke "DICE" Tsutsumi

©2016 TIFF

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Tokyo International Film Festival 2016(第29回東京国際映画祭)のプログラムとして、アニメーション映画監督の細田守監督とアニメーション映画監督のDaisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督のスペシャルトークショーが、先月2016年10月29日(土曜日)に開催された。

 
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Tokyo International Film Festival 2016(第29回東京国際映画祭)のアニメーション特集は、『The World of Mamoru Hosoda』(細田守の世界)と題して、日本国の長編アニメーションを牽引し続けるアニメーション映画監督の細田守監督をフィーチャー。細田守監督の20年の軌跡を辿る様々なプログラムを実施。

その一環として、細田守監督とアニメーション映画監督/Tonko House(トンコハウス)オーナー/元・Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)アートディレクターのDaisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督とのスペシャルトークショーが開催され、高い倍率の中で当選したオーディエンスで会場が埋め尽くされた。

©TONKO HOUSE Inc.

スペシャルトークショーに先立って、Daisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督とアニメーション映画監督のRobert Kondo(ロバート・コンドウ)監督のショートフィルム『The Dam Keeper』(ダム・キーパー)とショートフィルム『Moom』(ムーム)を上映。

スペシャルトークショーでは、細田守監督は、「アニメーションや映画の形で表現できることや技法はもっとたくさんある」と、昨今CGだけに一元化、偏りがちなアニメーション作品について語り、上映されたショートフィルム『The Dam Keeper』(ダム・キーパー)やショートフィルム『Moom』(ムーム)のアニメーションの面白さや表現の豊かさを評価。また、「才能や力のある人、有名な人、面白い作り手と一緒に仕事をしたくてたまらない。どこかのスタジオと・・・とかではなく、“ヒト”、例えば、堤さんと・・・とか、ロバートさんと・・・という感じで、純粋に作り手同士で一緒に表現、共闘、協働、壁を乗り越えていきたい。夢の一つとして、堤さんと仕事をしたい」と、更なる作品作りやコラボレーションに意欲を示した。

Daisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督は、「Robert Kondo(ロバート・コンドウ)と一緒に作っているんですけど、僕らはルックに拘っていないんですよ。色んな表現の仕方があって、もっと言ってしまえば物語によって表現の仕方があるので、物語によってルックを変えていかなければいけないと思います」と、自分たちのアニメーション作品について語った。また、「タイミングや実力とか色々あると思うんですけど、僕は常に背伸びをしないと物事が実現しないと思っているので、堤さんがそう言ってくれている間に自分が背伸びしてでも一緒にやれるチャンスがあれば、絶対に「仕事をしましょう」と言ってしまう」と、細田守監督のラブコールに答えた。

 

そして、細田守監督は、「堤さんが、Pixar(ピクサー)をお辞めになって・・・普通は、辞めないですよね。お辞めになって、TONKO HOUSE(トンコハウス)を立ち上げて、映画づくりの準備をしていたのは、映画づくりにすごく大事なことが含まれていると思うんです。映画づくりに大事なのは、主体性で、主体性を確保することが一番大事だと思います。そのために、堤さんは仕事環境が整ったPixar(ピクサー)を辞めて、スタジオのオフィス家具を手作りまでしたというのは、すごく大事なことですよね」と、映画づくりのための主体性の大切さを話した。すると、Daisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督は、「実は、Pixar(ピクサー)を辞めた一つの理由に細田さんが絡んでいまして、Pixar(ピクサー)で映画『おおかみこどもの雨と雪』上映後の夜に一緒に食事したときに、「堤さんは、アートディレクターよりも監督向きだよね」と、細田さんに言われたんですよ。細田さんにそんなことを言われたら・・・僕は、大学から絵を始めたんですけど、絵を始めたきっかけも、そこにいたおばあちゃんたちから「絵が上手だね」とお世辞を言われて、勘違いをして絵の世界に行ったんですね。僕は細田さんの言葉を信じて・・・。上手くいかなかったら細田さんのせいかな・・・(笑)」と、いままで話してこなかった逸話が飛び出し、細田守監督も「それ、本当ですか!?凄い!それで、こんなに良い作品を作るなら、それは僕は先見の明があるということですね」と驚きながらも自負し、この2人のやり取りに会場は笑いに包まれた。

細田守監督の映画づくりをするにあたっての主体性の確保や表現方法の多様性の大切さを伝える話は、映画やアニメーションに限らず、ものづくりをはじめ、様々な物事に当てはめて考えることができる。また、Daisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督の「“良い”(意味での)勘違い」の逸話は、夢を実現した、あるいは、物事を成し遂げた偉大な人物に見られる。“良い”(意味での)勘違いをきっかけに、それが目標や使命となり、更に苦労や努力をして感性や思考を磨き、才能として開花し、夢を実現したり、物事を成し遂げたりすることが多く、Daisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督もその一人である。2人のスペシャルトークは、会場にいた多くのオーディエンス、特に若者たちに夢や希望、ヒントを与えるものとなった。

「アニメーションや映画は、時間も人手も予算も掛かり、苦労が大きい。映画をつくるために苦労することと物語の中で主人公が色んな苦難な上にあるということがシンクロして、涙ぐむことがある。堤さんには、いまはもっと大規模なことが取り巻いていると思うんですが、そういう苦労があればあるほど映画は面白くなるんじゃないかというふうに思って、ワクワクしています」と、細田守監督は、Daisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督に期待を寄せ、エールを送った。

Daisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督とRobert Kondo(ロバート・コンドウ)監督のTONKO HOUSE(トンコハウス)は、長編アニメーション映画の製作がスタートしたばかり。

今後もDaisuke “DICE” Tsutsumi(堤大介)監督と細田守監督、それぞれの作品、または、将来的にありえる2人(正しくは、Robert Kondo(ロバート・コンドウ)監督を含めた3人)のコラボレーション作品に注目と期待をしたい。

Tokyo International Film Festival 2016(第29回東京国際映画祭)は、昨日2016年11月3日(木曜日)に10日間のスケジュールを終えて閉幕した。

The Dam Keeper: Official Teaser

Moom: Official Teaser

Tokyo International Film Festival 2016
第29回東京国際映画祭
http://www.tiff-jp.net/

©2016 TIFF

   
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