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過去最大規模で上陸した展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』が開幕—強烈なメッセージ性溢れる作品が衝撃と気付きを与える

遂に日本国でのBanksy Yearがスタート!過去最大規模で上陸した『バンクシー展 天才か反逆者か』の全貌と見どころはいかに!?プロデューサー兼キュレーターが語ったこととは!?記事を読み進めよう!

 
BANKSY GENIUS OR VANDAL?|展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』
Girl with Balloon by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

難民支援のために自分のパンツにサインをしてチャリティ・オークションに出品するというイベントが開催され、参加・出品を依頼されたバンクシーはパンツの代わりにこの『Pants』(『パンツ』)を制作して参加・出品したようだ。『Pants』(『パンツ』)を制作する前、2008年にイギリス(連合王国)ノース・ロンドンにある薬局の外壁に、スーパーマーケットTesco(テスコ)のビニール製ショッパーを国旗掲揚のポールに掲げる子どもと、消費者として忠誠を誓っている2人の子どもを描き、同年に構図を反転させ、サイン入り限定版画として複製している。テスコのスローガン「Every Little Helps」(ささいなことでも役に立つ)を変えた『Verry Little Helps』(『ベリー・リトル・ヘルプス』=ほとんど何の役にも立たない)と題され、独占小売企業によって市場がコントロールされて小規模企業が脅かされている社会問題を表現したと考えられる。ここで描かれたビニール製ショッパーを、イギリス(連合王国)国旗=ユニオンジャック柄のパンツに変えて制作されたのが、『Pants』(『パンツ』)である。

この『Grin Reaper』(『グリン・リーパー』)は、初期の作品として知られており、グラフィティ・ユニットDryBreadZ Crew(ドライブレッドゼット・クルー)のメンバーとして活動していた頃にイギリス(連合王国)ロンドンの壁に描かれた。2007年に消されてしまったが、2005年に限定版版画として再び制作された。死神のスマイリーフェイスは、スマイリーフェイスが価値を転換するために使い古されてしまったアイコンになったことを示し、平和への理想とアプロプリエーション(オリジナルとコピーの区別が消失し、コピーが大量に消費される現代社会の様相)の受容と中傷の結びつきに対してネガティブに捉えていることを表現していると考えられる。フレンドリーだけど同時に不吉という心に付き纏うイメージになっているようだ。

HMV / Blur Think Tank
BANKSY GENIUS OR VANDAL?|展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

BANKSY GENIUS OR VANDAL?|展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

この『HMV』(『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』)は、蓄音機が人気を博した時代の波に乗って創立されたレコード会社ビクター(現・JVCケンウッド・ビクター・エンタテインメント)などのトレードマークにもなっている画家のFrancis Barraud(フランシス・バロウド)の絵画『His Master’s Voice』(『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』)を引用し、バンクシーは蓄音機に耳を傾けるジャック・ラッセル・テリア“Nipper”(ニッパー)にバズーカ砲を持たせ、攻撃性を加えている。ニッパーは、自身から喧嘩を吹っかけたりはしないものの、襲ってきた犬には立ち向かい、いつも勝っていたというやんちゃな犬だったことが伝えられているため、そのイメージに様々な解釈ができるメッセージを込めて表現したと考えられる。1998年にイギリス(連合王国)ブリストルで初めてこのテーマを用い、2000年にレストランSevernshed(セヴァーンシェッド)で開催した自身の展覧会『BANKSY EXHIBITION』(『バンクシー展』)のチラシのヴィジュアルにした。クラブCargo(カーゴ)のガーデン・エリアの壁にもスプレーで描き、その後、数百枚のコピーをプリントしている。展示されているのは、このコピーの1枚である。

この『Blur Think Tank』(ブラー『シンク・タンク』)は、ロックバンドBlur(ブラー)が2003年にリリースした第7作目のスタジオアルバム『Think Tank』(『シンク・タンク』)のレコードスリーヴのアート。このアルバムが収録された背景には、アメリカ合衆国同時多発テロ事件の後、“テロリズムとの戦い”という大義を振りかざし、様々な議論を巻き起こした一連の軍事行動にあったようだ。ブラーのフロントマンでヴァーチャルバンドGorillaz(ゴリラズ)の中心メンバーであるDamon Albarn, OBE(デーモン・アルバーン)は、核兵器廃絶の支持者であり、アフガニスタン侵攻やイラク侵攻に対しても抗議し、反戦運動を展開。『Blur Think Tank』(ブラー『シンク・タンク』)は、ブラーとバンクシーの戦争反対というメッセージを表現していると考えられる。アートは2種類あり、潜水ヘルメットをかぶって見つめ合いキスをしようとしている男女、もう一つは潜水ヘルメットをかぶった女性が潜水ヘルメットをかぶった赤ちゃんを抱き、赤ちゃんが哺乳瓶に手を伸ばしている。

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展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』

Art by Banksy ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

 

バンクシー展 天才か反逆者か BANKSY GENIUS OR VANDAL?

 

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バンクシーの本物の作品が世界中から集結した。作品を見ていると、どストレートに様々なことを問いかけられ、世界と社会のリアルな現状が見えてくる。いまこの時代だからこそ、日本人も日本国と世界の問題に目を向け、もっと考えなければならない。

 
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