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絶滅したニホンオオカミの剥製を国立科学博物館の特別展で初公開—日本国内4体目、世界6体目の貴重な剥製標本

国立科学博物館が今年2月に「ニホンオオカミ」の剥製であることを発表した貴重な剥製標本が一般公開される!どのような剥製標本なの!?記事を読み進めよう!

 
ニホンオオカミ 剥製標本
ニホンオオカミの剝製標本/国立科学博物館所蔵
ニホンオオカミ 剥製標本 ラベル

標本の台座の裏に貼付された標本ラべル(提供:国立科学博物館)

国立科学博物館(東京・上野公園)が今年2024年2月に「ニホンオオカミ」であることを発表した剥製標本を、同博物館の特別展「大哺乳類展3—わけてつなげて大行進」にて2024年5月21日(火曜日)より一般公開することを明らかにした。

 

1888年に東京都恩賜上野動物園の前身機関に来園した個体で、1889年には東京国立博物館の前身機関に存在、1924年に国立科学博物館に移管後、同館の収蔵庫で保管されていた謎のオオカミの剥製標本「和名:ヤマイヌの一種」。2020年、当時小学4年生だった小森日菜子さんが国立科学博物館の収蔵庫公開イベントに参加した際、同標本の特徴がニホンオオカミの特徴と似ていることに気づき、調査を行なってきた。調査の結果、今年2月に同標本が「ニホンオオカミ」であることを国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ 研究主幹の川田伸一郎と山階鳥類学研究所 研究員の小林さやからとともに発表した。分類学のフィールドではDNA解析が主流となりつつあるが、今回の新たな発見は頭部の形や背中の毛の色など、形態学的特徴(見た目の特徴)の分析により明らかになったという。川田伸一郎は、同標本について「この標本は僕も何者なのかよくわかっていなかったもので、小森さんと小林さんの緻密な文書資料の調査によって素性が判明しました。科博には明治時代から伝えられる標本がたくさんありましたが、その多くは関東大震災や戦争により、廃棄されたりして行方不明になっています。ものを残し続けると、100年以上あとでも思わぬ発見につながる。世代を通じて標本を継承することの大切さを再認識しました」とコメントを寄せ、博物館と研究員の使命でもある収集と保存、研究・調査の重要性を伝えている。

同標本は、現在、国立科学博物館にて開催されている特別展「大哺乳類展3—わけてつなげて大行進」のテーマのひとつである「分類」という作業の基礎である形態的特徴の観察によって「ニホンオオカミ」の剝製であると特定するに至ったことから、「ニホンオオカミ」であると発表されて初めて同展の第2会場で5月21日(火曜日)より一般公開される。

 

ニホンオオカミは、かつては本州、四国、九州に広く生息していたものの、1905年に採集された個体を最後の確実な記録として、20世紀初頭に絶滅したとされている。これまで日本国内には3体、世界には5体しかないとされてきたニホンオオカミの剝製標本。今回初公開される剥製標本は、国内では4体目、世界では6体目となる貴重な標本となる。

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INFORMATION

会期: 2024年3月16日(土曜日)から6月16日(日曜日)
休館: 月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)・5月7日(火曜日)※ただし3月25日(月曜日)・4月1日(月曜日)・4月29日(祝日・月曜日)・5月6日(振替休日・月曜日)・6月10日(月曜日)は開館
時間: 9時00分から17時00分(入場は16時30分まで)※ただし毎週土曜日・4月28日(日曜日)から5月6日(振替休日・月曜日)までは19時00分まで延長(入場は18時30分)まで
会場: 東京・国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
料金: 一般・大学生 当日 2,100円(税込) / 小学生・中学生・高校生 当日 600円(税込) / 未就学児 無料 / 障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名 無料
主催: 国立科学博物館、朝日新聞社、TBS、TBSグロウディア
注意: 会期や開館時間等に変更が生じる場合や、休館となる可能性があります。最新情報、詳細、注意事項を公式サイトおよび公式SNSにて必ずご確認ください。
備考: 本展を観覧された方は当日に限り常設展示(地球館・日本館)もご覧いただけますが、常設展示の開館時間に限ります。

国立科学博物館
National Museum of Nature and Science
https://www.kahaku.go.jp

 

 

特別展「大哺乳類展3−わけてつなげて大行進」

今年2024年2月に「ニホンオオカミ」であることが発表された剥製標本!1924年頃からずっと保管され、謎とされてきた“ヤマイヌの一種”オオカミの剥製標本が、日本国内4体目、世界6体目となる貴重な剥製標本に!当時小学生4年生だった小森日菜子さんの観察力と調査、そして博物館と研究員の使命である収集と保存、研究・調査の賜物である。普段は公開されていない貴重な剥製標本なので、みなさんもぜひ国立科学博物館の特別展「大哺乳類展3—わけてつなげて大行進」に足を運んで、観察してほしい。ニホンオオカミと言えば、埼玉・奥秩父にある三峯神社と御眷属信仰。三峯神社にある御眷属像のオオカミも、一見するとキツネにも犬にも見えるニホンオオカミの特徴と似ており、今回公開された剥製標本の写真と似ている。興味・関心がある方は、三峯神社と御眷属信仰も調べてぜひ行ってみてほしい。素晴らしい場所です。

 
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