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特別展『恐竜博2019』が開幕—世界初公開のデイノケイルスとむかわ竜の全身復元骨格&日本国初公開の化石標本も展示

 
国立科学博物館 特別展『恐竜博 2019』
モンゴル科学アカデミー古生物学地質学研究所 ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

恐竜の生殖や繁殖術も紹介されているほか、モンゴル国モンゴル科学アカデミー古生物学地質学研究所の最新の研究成果として、並ぶようにして隣り合わせで発見されたことから“ロミオとジュリエット”という愛称が付けられている2体のオヴィラプトル類カーンの完璧な保存状態の化石が日本国で初めて公開されている。また、3体が重なり合うようにして発見されたオヴィラプトル類の化石、現在研究中のテリジノサウルス類の新種の可能性が高い実物化石が世界で初めて公開されている。

「むかわ竜」の世界

むかわ竜

国立科学博物館 特別展『恐竜博 2019』

むかわ竜 全身骨格(実物)・全身復元骨格(複製)/北海道勇払郡むかわ町立穂別博物館 ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

全長8m超えの「むかわ竜」の全身骨格の化石と、この化石を元に復元された全身復元骨格が世界で初めて公開されている。

日本国では、1987年に岩手県で「モシリュウ」の化石が発見されたことをきっかけに、全国で相次いで恐竜の化石が発掘・発見された。2019年7月現在、北海道から鹿児島県まで、恐竜の歯や骨、卵の化石が発見・確認されている。中生代は、日本国はまだ大陸の一部であり、大陸緑辺の海に堆積した地層のほうが、陸の河川や湖沼でできた地層よりもはるかに多く露出している。そのため、日本国の古生物学では、アンモナイトなど海の無脊椎動物化石の研究が世界から注目されてきた。

2003年に北海道勇払郡むかわ町で、恐竜の関節した13個の尾椎骨の化石が発見された。当初は、首長竜の化石だと誤解されていたが、化石のクリーニングを進めるにつれて首長竜とは違う恐竜の化石である可能性が高くなったことから、さらに調査が進められ、2013年から2016年には残りの骨の化石を探すべく再び発掘調査が行われた結果、すべてで少なくとも222個の骨の化石(最初に発見された関節した13個の尾椎骨の化石を含む)を発見・確認。日本国内で初めて大型恐竜の8割以上の全身骨格の化石が発掘されたことで、日本国の恐竜研究史に残る奇跡の発見となり、新属新種の恐竜の可能性が高いとされている。「むかわ竜」が新種であれば、日本国では8番目の新種の恐竜となる。

ホベツアラキリュウとフォスフォロサウルス

国立科学博物館 特別展『恐竜博 2019』

ホベツアラキリュウ 全身復元骨格(複製)・フォスフォロサウルス 全身復元骨格(複製)/北海道勇払郡むかわ町立穂別博物館 ©︎ SAPIENS TODAY and Wingedicate, Photo by Ryohei Ryan Ebuchi

右)1975年に北海道南部の穂別町(現・北海道勇払郡むかわ町穂別)を流れる穂別川の支流サヌシュベ川で穂別在住の荒木新太郎が首長竜の化石を発見したことをきっかけに、1977年から本格的な発掘調査が行われた結果、極端に長い首をもつことで知られるエラスモサウルス類の全身の様々な部位の骨が発見された。その後、日本古生物学会の学会誌に論文が掲載され、全身部位の化石が揃った首長竜の記載論文が出版されたのは日本国では初の快挙となり、日本国における化石爬虫類研究の発展にも大きく貢献。荒木新太郎が穂別町で発見したことにちなんで「ホベツアラキリュウ」と名付けられた。

 

特別展『恐竜博 2019』

 

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