ピクサー:グラント・アレクサンダーのアニメーション・映画制作への情熱に迫る―独占インタビュー#3

 
©2016 Ryota Isomura ©Disney/Pixar

色々ありますが、いま一番の大きな夢の一つは、日本国とアメリカ合衆国をもっとより身近に繋げたいと思っています。例えば、学校を始めるなど、私が持っているスキルを他の人に教えたいと思っています。日本人アーティストとコラボレーションして、マルチメディアスタジオを立ち上げて、そこでCM制作やコミック制作など、多国籍のアーティストたちが集まって、スキルを学びながらできるプロダクションを作りたいですね。それを言い訳にもっと日本国に来たいという下心もあります・・・そういうのを立ち上げたら頻繁に日本国に来れるかなと・・・(笑)もう少し短期的な目標は、Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)との契約が満了する前に、短編映画を制作したいと思っています。長編作品は、いまは色々と難しそうなので手をつけることができないかも・・・(笑)

——でも、Grant(グラント)さんの長編映画作品を観てみたいです・・・ロボット、ロボット、ロボット(笑)

ハハハ(笑)ありがとうございます!いまいくつか脚本を書いているところです。楽しみにしていてください!

——Grant(グラント)さんから日本国の若者たちにメッセージをお願いします。

責任重大ですね・・・いままで、あまり日本国の若者たちと関わるきっかけや機会がありませんでしたが・・・西洋と東洋の文化の違いを考えると、個人主義の西洋文化と全体主義、利他主義の東洋文化についてよく考えるんことがあるんですが、私の印象は、日本人は個人としての自分をあまり出さない、持ち上げないという文化だと思います。私が日本国の若者たちに言いたいのは、個人として主張することを恐れないでほしいということです。どんなにバカバカしいアイデアでも、周りから理解されないことでも、勇気を持って突き進んでほしいと思います。家族や周りの友人から説得されようとしても、夢を諦めないで、Be brave!(勇気を持って!(勇敢であれ!))。

——最後に、Grant Alexander(グラント・アレクサンダー)さんにとって、“アート”とは何でしょうか。

全てです。私の人生そのものですね。アートは、人類、そして、人類の文化に必要不可欠なものだと思っています。アートから学べるものもたくさんありますし、ヒトから人にストーリーを伝えるために欠かせないものです。子どもたちに教訓を教えるものであったり、元気が出てくるようなストーリー、悲しみや辛さを乗り越えるためのストーリー・・・様々ありますが、その中でアートは不可欠です。絵画などに見ても美しいものは心を豊かに、心の中を軽やかな気持ちにしてくれます。私たちが目に見えるものの世界からスピリチュアルな世界、魂の次元に気持ちを連れて行ってくれます。

いまの日本国のアニメーション業界は、大変な時期で、苦しい生活を送らずにアニメーターとして働くためには試練があると聞いています。日本のアニメーターやクリエイティブな人たちは、素晴らしい価値があると思いますので、今後、新しいビジネスモデルが作られるなり、何らかの進展で、より良い環境が作られればいいなと思います。

——素敵なお話と貴重な資料をありがとうございました。

ドウイタシマシテ!

インタビューを終えて

©2016 Ryota Isomura ©Disney/Pixar

アメリカ合衆国で1995年(日本国で1996年)に公開されたDisney・Pixar映画『Toy Story』(邦題:トイ・ストーリー)。私は、当時13歳。ストーリー、発想、キャラクター・・・全てに衝撃を受けたことを、いまでも鮮明に覚えている。

Disney(ディズニー)全作品を幼い頃から見て育ち、東京ディズニーランド®の誕生と共に歳を重ね、Disney・Pixar映画『Toy Story』(邦題:トイ・ストーリー)以降、Disney・Pixar作品も全てを鑑賞。年齢を重ねるに連れ、Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)の設立、作品、人に関しても、大きな興味と関心を持ってきた。

 

©Disney/Pixar ©Grant Alexander
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